その問題点を少し述べてみますと、

1 母乳率が少し上昇気味になると必ずと言ってよい程、マスコミで「母乳だけではビタミンKが不足しているよ」とか
「母乳にはダイオキシンが危ないよ」等と色々と取り上げて医療者やお母さん達の不安を煽り立てるのです。
その情報源はどこから出ているのかは、ある程度予想はつくのですが、日本では誰も恐れて追求しようとはしませんし、国も放任状態です。

2 日本のあらゆる産婦人科、小児科、保健所、薬局等にミルク会社の栄養士が派遣されている、
ということは、1981年に出されたWHO/UNICEFの「母乳代替品(人工ミルク)の販売についての国際規準」の十ヶ条をほとんどの医療関係者が知らない、又は知らされていない、ということなのです。10年前に視察に行ったニュージーランドは母親の指導者と助産師が年数回、この国際規準に違反していないかどうかを調査し、厚生省に報告し、厚生省から違反施設には指導がなされると聞き、日本との大きな違いに驚きました。

その十ヶ条の中の3か条を再度記してみますと(2月号に掲載)

1. 母乳代替品の一般向けの宣伝の禁止
2. 母親への無料サンプルの提供の禁止
3. 医療機関での製品の宣伝の禁止

 

退院時にミルク等のプレゼントは上記に違反している事で誰も気付いていないのです。
病院でミルクをもらうのですから、お母さん達は病院が人工ミルクを勧めていると思って当然なのです。
「ただより高いものはない」と昔から言われていることに早く皆さん気付いて欲しいですね。

人間が人間のお乳を飲むのではなく、人工ミルクで育てて当たり前になった結果、
日本で何が起きてきたのかを私なりに記してみます。

【ミルクの弊害】

(先進国) 肉体的問題…… アレルギー、腎臓病、生活習慣病、癌の多発
精神的問題…… 母と子の絆の欠如により、
引きこもり、対人恐怖症、家庭内暴力、いじめ、学級崩壊
過食症、拒食症、自殺、多動、虐待、硬い物が噛めない
・母乳を与えなくなったことや夜間授乳をしなくなったため、出産後、排卵が早くなり、 出産後2ヶ月〜6ヶ月で80%の人に排卵が起こり、妊娠中絶も多くなった。
・乳がんが女性の癌のトップになってきた。
・卵巣がんが多くなってきた。
 
(発展途上国)

無料の援助として、出産直後に人工ミルクを無料で提供され、
それを与えるために、すぐに母乳が出なくなる。

また退院後に高い人工ミルクを買うことはとても大変である。
ようやく手に入れても文字が読めず調乳方法がよく理解できなかったり、
水の問題や衛生上の問題(冷蔵庫もほとんど無く、暑い国なのですぐに腐ってしまう)で
不衛生なミルクを飲ませて赤ちゃん達の下痢などで死亡率が高くなり、
ベビーキラー出て行けという運動が起こった。

そのため発展途上国にミルクを売らないようにしようというUNICEFの勧告に対してそれを守らず、
支援をした国も日本、韓国とブラジルだった。

又、母乳を与えないので、すぐに排卵が起こり、
妊娠、出産を繰り返すために母子共に不健康に陥っている。

〜4月号に続く


前のページへ<