= 第4回目(5月号)=

よいお乳を出すための方法

【授乳間隔】

4月号では、食事との関係を述べてみました、母乳は、母親の血液から出来ています。
血液は、母親の食べたり飲んだりしたものでつくられますので、母親の食生活で乳質は左右されます。
サラサラのおいしいお乳を飲んで育った赤ちゃんと、ドロドロのまずいお乳で育った赤ちゃんとでは、
どちらが健康に育つでしょうか?
それは誰にでも解ることですよね。

乳質を左右するものについて、今回は授乳間隔について話してみます。

 

T)昼夜を問わず、3時間以内に飲ませること

3時間以内であれば、1時間毎や2時間毎等の短いのは問題ありません。
特に生まれて100日以内は1日15回〜20回ぐらい飲ませますので、1時間毎〜2時間毎は当たり前です。

 

U)射乳現象のリズム(催乳現象)〜お母さんの胸がベッド

お乳の出方は哺乳ビンのように、乳房の中に溜まっているのを飲むのではありません。
よい、お乳の出方には、出方のリズムがあるのです。
そのリズムは月数によって変化していきますし、そのリズム合った飲み方を理解することが大切です。

乳房の中に溜まっているお乳を飲み干すのではなく赤ちゃんが飲みついてから、その刺激が脊髄にいき、
脳下垂体に伝わり、前葉からプロラクチンが出て、血液から乳汁がつくられ、
後葉のオキシトシンホルモンによって射乳現象が起こり、その瞬間にシャーと排出していくるのです。
これを射乳現象といいます。

この射乳現象は10秒〜60秒間ぐらいしか持続しません。
その後休憩があってしばらく待つと、また射乳現象が起こるというリズムを繰り返しますので、
赤ちゃんはそれに合った飲み方をします。この射乳現象によって乳汁は天上にまで届くほどに飛びます。
ギリシャ神話にお乳が天の川になったというのがありますが、
私のところの診療所の天上はまさにその様が乳汁によって描かれています。
催乳間隔と射乳現象にあわせて授乳すれば溜り乳になりません。
お乳はつねに空で乳房がのびきった状態になりませんので、形をくずすことはありません。
溜り乳の古いお乳でなく、赤ちゃんが飲みついてから、新しくつくられる乳汁ですから、
常に新鮮で、おいしいお乳を飲ませる事が大切です。
溜り乳は、乳汁がたれて出てきますので、乳パット等を当てておかないと衣服等が汚れて大変ですが、
よいお乳はこのような事はありませんので、乳パット等は必要ありません。

射乳現象のリズムは赤ちゃんの月数によって変化します。


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