= 第5回目(6月号)=
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A8:アルコールはおっぱいにすぐ出ますので避けたほうが無難ですね。
母乳を飲ませている間だけでも控えていただいた方がよいと思いますが、真夏の暑いときにビール一杯くらいは時にはよいでしょう。
今、女性でもお酒に強い方も多いですし、男性と同じように飲む機会も多いかと思います。最近は、アルコールを多量に飲む女性が増えてきているために、妊娠中からお腹の中の赤ちゃんがアル中になって脳までやられ、非常に危険な状態で生まれてくる頻度が少しずつ増えています。
授乳中もできるだけアルコールは控えた方がよいと思います。
A9:刺激物はやはり控えた方がよろしいですね。あまり刺激物を多量に取りすぎますと、赤ちゃんがキーキーと不機嫌になることがあります。コーヒーもカフェインがはいっています。カフェイン類が入っているもの、刺激物の高いものは控えた方がいいですね。
A10:母乳は生まれたらすぐ、できるだけ早く出産後30分以内には、出ても出なくても一応吸わせてみてください。これはインプリンティングをさせることでとても大切なことです。
赤ちゃんは生まれて最初に飲んだものに慣れてしまうという習性がありますので、生まれて最初にふくむものは本物のお母さんの乳首にしてください。
ゴムの乳首をふくませるとその飲み方に慣れてしまって、本物のお乳の飲み方が下手になり、本物のお乳を「歪め飲み」したり引っ張ったりして、傷がついたり、乳腺炎のもとになったりする危険性があります。
出産後30分以内に分娩室ででも飲ませて欲しいと思います。
その後は三時間おきには飲ませてください。
なるべく赤ちゃんを早くから自分の側に連れてきてもらい、吸わせる事が、ホルモンを刺激して分泌をよくするいちばん大切なことですから、出ていなくても必ずふくませてください。
それによってホルモンがどんどん働く仕組みになっているのです。
A11:もちろんそうです。泣く度に頻回に与えることがおっぱいを出す秘訣です。
30分おきでも一時間おきでも二時間おきでも何回でも飲ませてやってください。
赤ちゃんはお腹がすいているだけで泣いているのではありません。 泣いている80%は、お母さんから離される不安感で泣いているのです。
おっぱいをふくんだまましっかりお母さんに抱かれることによって、精神的な安定を得ているということが非常に多いので、しっかりとおっぱいをふくませて抱いてやってください。そしてまた頻回に飲ませることが、お母さんのホルモンを刺激して、おっぱいの出を促進します。それが母子相互作用として、いい状態になるように仕組まれているのです。泣くことは赤ちゃんの何らかの要求の信号でとても大切なことですから、泣くことでお母さんは決して不安がらないで下さい。赤ちゃんは言葉が離せないので、泣くことでいろいろなことを訴えているのです。泣くから「おっぱいが足りないのだわ」とだけ思わないで、だっこしてあやしたり、外へ連れ出して外気浴をさせてください。昔から「寝る子は育つ」という言葉があるように、寝るほうがよいと錯覚していますが、それは間違いで、実は「泣く子は育つ」なのです。泣く子は、自分の意思表示をしっかりしている子ですから、決して心配しないでください。自分の意思表示が出来る子にして、そしてお母さんは必ずその要求に的確に対応し、できるだけだっこしてやってください。