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【 お父さんも子育てに参加して 】
母乳育児そのものは母親にしか出来ないのが現実ですが父親にしか出来ない父親の役割はたくさんあります。私は父親の役割としていちばん大切なことは、母親が安心して母乳育児ができるようにあたたかく見守って、励ましてあげることだと思います。母乳育児が成功するように皆で母親を援助することをマザーリングといいます。サルやゾウなど集団で生活する動物は子どもを産んだ母親と子を群れ全体で守るといわれています。
しかし、人間の世界では、今核家族になって、頼りに出来るのは、夫しかいなくなりました。
特に親元を離れている人は心細くて大変です。
私はできるだけ100日間は里帰りができるならば、それが望ましいと思います。母乳育児がある程度軌道に乗るのに約100日位かかるからです。その間、母子共にゆっくりできる環境を皆でつくってあげて欲しいと思います。
しかし、現実はなかなかそうはいきませんので、夫が協力してあげてください。
◆精神的支援◆
浮気などせずにしっかりと妻を愛してください。
心身共に授乳中の女性はホルモンの関係で、性生活は拒否反応を示しますが、この期間は、初々しい出会いの頃のプラトニックラブを思い出し、両手でしっかり抱きしめて、「愛しているよ」と常にささやいて妻の情緒が安定するよう心掛けてください。
そして、大事な自分たちの赤ちゃんを母乳で育てることの大切さを二人で確認しあい話し合ってください。母乳育児が軌道に乗るまで非常に個人差があって1ヶ月〜3ヶ月位は母子ともにパニック状態に陥りやすくなりますので、そんな時こそ、ドーンと冷静に受け止めて、あせらず、あわてず、ゆっくりと、「ぼくが守ってあげるから、大丈夫だよ」と妻の精神安定を図ってください。
◆身体的支援◆
母親が安心して授乳できるように援助してあげてください。
母乳の分泌が軌道に乗るのに約100日位かかります。母子一体性の原理で、この間は、常にだっこして15回〜20回くらい授乳が必要な時期です。もし、母親が家事で忙しい時に赤ちゃんが泣いていたら、おむつを替えたり、だっこしたり、あやしたり、庭に連れだして外気を吸わせたりして協力してあげてください。そういう夫の手助けが母親にとってどれだけ心の支えとなることでしょう。育児は夫との共同作業です。母親が安心して授乳できることが母乳育児を確立するために何よりも大切なことです。
余裕のあるときには家事なども手伝ってください。
◆一緒に遊んでやってください◆
断乳までは、特に母親にべったりですが、昼間働いていてなかなか子どもと接する機会がなく、スキンシップ不足のお父さんも、お風呂に一緒に入ったりするのは、親子のコミュニケーションをとる絶好のチャンスです。
ハイハイやつたい歩きをするようになると、かなり激しい運動を求めるので、父親の力強い両手で「高い高い」と高く上げてやったり、ぐるぐるまわしてやるととても喜びます。
歩くようになってからは、一緒に散歩に行ったり、幼児期になるとかなり父親の出番が多くなってきます。外でボール遊びやマラソン等、また、海や山にいっしょに行って自然の素晴らしさ、大きさを体で教えてください。
本当の父親の出番は学童期以後でしょう。特に思春期に入ってからは、頼りにされる心の通じ合える父親であって欲しいですね。
そのためにはやはり赤ちゃんが生まれた時から妻を愛し、思いやりの心で支援していただければ妻は安心して子どもに愛情を注ぐことができます。母乳でしっかり育てると子どもも妻も愛情深く思いやりの心が育ち、子どもも父親を、妻は夫を愛し尊敬するようになるでしょう。