■ 働くママにもできる母乳育児 ■

◆ 働いている間の授乳および乳房管理 ◆

● 赤ちゃんに直接飲ませる場合
・保育園へ昼休みに授乳に行く。
・赤ちゃんを職場に連れてきてもらう。
・家に帰って飲ませる(職場に近い人など昼休みに)。

● 保育園に預けている場合
・仕事中は保育園や預けているところでミルクを与えてもらうか、または離乳食のみ与え、母親は職場で搾乳してお乳を捨てて、夜間や休みの時だけ母乳を与える(1年間の育児休業開けの母親はこの方法でよい)

★ 搾乳してお乳を冷凍し、冷凍したお乳を解凍して与える。
* 注意
冷凍母乳は、一度解凍したら残ったお乳は捨てる。また、持ち歩く途中でとけた母乳も捨てる。(腐敗しやすい状態になっていますので、赤ちゃんが下痢などをすることがあります。注意しましょう)

◆ 私も働くママ ◆

 私が働きながら出産した昭和40年代は、産前産後たったの6週間でした。次男を出産後出勤してから一年に三回倒れ、そのうち一回は入院しました。出勤した当時、子宮からの出血が続き、止血剤をうちながら仕事を続けざるを得ず、とうとう貧血と過労で倒れ、入院するはめになりました。その当時、組合がありましたからクビを切られることはなかったのですが、自分から退職届を出すように仕組まれていました。産休開けにわざと慣れないきつい職場に配置されたり、すぐから夜勤をさせられたりで、母乳分泌は一日にして停止するほどでした。先輩や後輩たちは泣く泣く職場を去っていきました。
 私は組合活動の中で夜勤制度の改善や保育所づくりなど、働く女性の環境整備と労働条件改善に向けて全力投球しました。職場内保育所ができたのは次男が小学校に入学した年でした。
私が仕事に出るときに、泣いてばかりいた次男が、大学一年の時、私の開業10周年記念にお祝いの手紙をくれました。

母へ
 去年の夏、ぼくは北海道の大雪山を縦走してきました。約10日間、下界を離れ、山を歩き続けるのです。その間、終始雨が降り続けました。来る日も来る日も降り続く雨、そして寒さ。
 肉体的にも精神的にも疲労しきっていた。行程もあと二日というその日、その日もテントに降りつける雨の音に目覚め、憂鬱な思いにかられながら出発。声を出す気力もないまま登り続けてたどり着いた一つの頂上。
 すると突然、奇跡が起こった。
 絶壁に立ち込めていたガスが一気に上昇し、空をうずめていた雨雲から一筋の光が。眼下に広がる雄大な景色。涙が止まりませんでした。
 しかし、すぐにその光は消えてしまい、再び風雨の中を登り続けたのです。
 お母さん、あなたのこの10年間を振り返ってみると、晴れの日よりも風雨にさらされた日々のほうが多かったですね。何度挫折しそうになったことか。でも、一瞬の晴れ間を求め、一筋の光を信じて、やっとひとつの頂上である10周年までたどりついたのです。ひとりひとりの若いお母さんや赤ちゃんたちの笑顔に支えられて。
 まだまだ、あなたにとって苦難の道は続くでしょう。でも、きっと晴れる日も来るはずです。それを信じて、また一歩ずつ歩いていってください。
 信じた道を・・・。
 そんな母を誇りに思います。
 「おっぱい110番」10周年おめでとう。
仁志より


■「母乳育児にやさしい保育園のための10か条」■

1. すべてのレベルの保育園で母乳育児を年間の仕事計画の中に組み入れましょう
2. 母乳育児支援の活動ができるための研修をすべての職員にうけてもらいましょう
3. 入園している子どもの親すべてに母乳育児の良い点を知らせましょう
4. 妊娠、授乳中のお母さんや母乳育児に関心ありそうな子どもの家族との教育的な活動を活発にしましょう。
5. 母乳育児について、子どもが参加できるような学習体験を促しましょう
6. 保育園での母乳育児が続けられるように支援しましょう
7. 赤ちゃんが6ヶ月までは完全母乳育児が続けられるように勧めましょう
8. おしゃぶりを使わないようにしましょう
9. 教育関係者(親、教師、職員、保育者など)が協働して母乳育児支援グループを作るようにすすめましょう。
10.保健所や他の地域の組織と母乳育児や子どもの栄養についての活動を協力して行うようにしましょう

 


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